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家計のアドバイザー通信 (2015年8月号)

―公的年金の年金額―


Q.公的年金の年金額が少ないことが話題になっているようですが・・・。

A.「年金が少なすぎる」ことが事件の一因と言われたり、国に公的年金減額の取り消しを求める訴訟が相次ぐなど、最近年金額の話題をよく目にします。

厚生労働省発表の今年度の年金額例では、今年度の新規裁定者(67歳以下)の国民年金額は780,100円です(老齢基礎年金)。12ヶ月で割ると1月あたり65,008円になります。1人暮らしでは、持ち家があってもこれだけで生活するのは難しそうです。
夫婦2人でも13万円(65,008円×2人)ですから、余裕のある額とは言えなさそうです。
しかも780,100円の年金額は満額です。40年間のうち保険料を支払っていない期間や免除を受けていた期間がある場合は、その分減額されます。

<老齢基礎年金と老齢厚生年金の計算式例>
国民年金(老齢基礎年金)
780,100円×(保険料納付月数*÷480ヶ月)
*保険料免除期間の月数
  保険料全額免除期間:月数×48
  保険料34免除期間:月数×58
  保険料12免除期間:月数×68
  保険料14免除期間:月数×78
厚生年金(老齢厚生年金)
{平均標準報酬月額×乗率**×平成153月までの被保険者期間(月数)}+{平均標準報酬額×乗数**×平成154月以降の被保険者期間(月数)}
**生年月日に応じた率等

ワン・ポイント・アドバイス:自分の年金額を確認しましょう!
同じく厚労省発表の厚生年金は、「夫婦2人の老齢基礎年金を含む標準的な年金額」として221,507円(月額)を提示しています。条件は、平均標準報酬額(賞与も含めた年収÷12)が42.8万円で40年間就労し、国民年金も夫婦そろって満額の場合です(妻は専業主婦)。
厚生年金は国民年金より複雑で、加入期間はもちろん給与額などでも年金額が変わります。

まずは自分の年金額がいくら位になるのか、ねんきん定期便などで確認しましょう。その額が自分の老後生活資金として不十分なら、できるだけ早く対策を講じるべきです。

本記載は、社会保障制度の概要を説明したものです。
詳細につきましては、所轄の年金事務所等にご相談下さい。

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家計のアドバイザー通信 (2015年7月号)

―教育資金一括贈与制度の拡充―


Q.先月号(6月号)の「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」の中に出ていた「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」について説明して下さい。

A.「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」は、30歳未満の人(子や孫など)が、祖父母や両親などから教育資金を一括贈与された場合、最大で1500万円までの贈与金額が非課税になる制度で、2013年4月にスタートしました。

贈与された資金は、必ず教育目的で使われることが非課税の条件です。
そのため、この非課税制度を利用するには、金融機関等(信託会社、信託銀行、銀行、証券会社等)に贈与金額を預け入れるなどし(「教育資金口座の開設等」という)、払い出しの際は、原則教育資金の支払いに充てたことを証明する書類(領収書など)の金融機関への提出が必要です。

なお、2015年(平成25年)度の税制改正において、教育資金一括贈与制度は、2015年12月までであった対象期間が2019年3月末までに延長されました。

<結婚・子育て資金贈与の非課税措置と教育資金贈与の非課税措置>

結婚子育て資金の一括贈与教育資金の一括贈与
対象金額1000万円(結婚関係への支払いは300万円限度)1500万円(学校等以外への支払いは500万円限度)
対象期間2015412019331 2013412019331
贈与者直系尊属(祖父母、両親など)同左
受贈者子、孫など同左
受贈者の年齢制限20歳以上50歳未満30歳未満
用途受贈者の結婚時費用学校に支払う入学金、授業料や学校等以外の学習塾、水泳教室等の指導料等
受贈者の妊娠、出産、育児の費用通学定期代、留学渡航費用等

ワン・ポイント・インフォーメーション:教育資金一括贈与制度の用途も拡充!
教育資金の用途として認められる範囲が拡充され、通学定期代や留学渡航費用などが追加されました。

本記載は、2015年7月現在の税制に基づく一般的な取扱について記載しています。
税務上の取扱が税制改正などで変更となることがありますので、ご注意ください。
また、個別の取扱等につきましては、所轄の税務署等にご相談ください。

=あなたの家計のアドバイザー=             

家計のアドバイザー通信 (2015年6月号)

―結婚・子育て資金の贈与税非課税制度がスタート―


Q.結婚や子育ての資金を贈与する際、非課税制度を利用するときの注意点は?

A.今年(2015年)4月から、「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」がスタートしました。
2013年4月から既に始まっている「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」と同様、直系尊属(祖父母や両親など)から子や孫などへの贈与が対象です。

用途については、挙式や披露宴などの費用や、出産費用、保育園・幼稚園などへ支払う費用が対象になります。
通常は、金融機関(信託銀行、銀行など)に受贈者名義の口座を開設し、贈与者が資金を一括拠出します。受贈者は払い出しの都度、領収書を提出し、当該金融機関が非課税の対象であるか否かを判断します。

受贈者が50歳になったときに残額があれば贈与税の対象になり、贈与者の死亡時に残額があれば相続税の対象になります。
  

<結婚・子育て資金贈与税非課税措置>
対象金額1000万円(結婚関係への支払いは300万円限度)
対象期間2015/4/1~2019年3月31日
贈 与 者直系尊属(祖父母、両親など)
受 贈 者子、孫など
年齢制限受贈者は20歳以上50歳未満
用  途受贈者の結婚時費用
 ・挙式や披露宴の費用
 ・結婚を機に住む物件の家賃や引っ越し代など
受贈者の妊娠、出産、育児の費用
 ・妊娠健診、分娩費、入院費など
 ・未就学児の治療や予防接種の費用など
 ・保育園、幼稚園、ベビーシッターへ支払う費用など

ワン・ポイント・アドバイス:贈与者は、まず老後生活資金を確保!
贈与者が信託口座などに一旦入れたお金は、自分で引き出すことができません。まずはご自身の生活資金を確保した上で、贈与税非課税措置をご利用されることをお勧めします。

本記載は、2015年6月現在の税制に基づく一般的な取扱について記載しています。
税務上の取扱が税制改正などで変更となることがありますので、ご注意ください。
また、個別の取扱等につきましては、所轄の税務署等にご相談ください。

=あなたの家計のアドバイザー=