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家計のアドバイザー通信 (2014年11月号)

―確定拠出年金の動向―


Q.新聞に2016年頃から、主婦も確定拠出年金に加入できるようになるかもしれないとありましたが、そもそも確定拠出年金とは何ですか。        

A.「確定拠出年金」は、保険料(掛金)があらかじめ決められた年金制度です。
これに対して、国民年金などの公的年金や厚生年金基金のような企業年金は、「確定給付年金」と呼ばれ、年金額(給付金)があらかじめ決められた年金制度です。

確定拠出年金の年金額は、加入者本人が行う運用の成果によって決まります。よって、年金資産(積立金)が増えて年金額が大きくなることもある反面、予定していた年金額を下回ることや元本割れの可能性もあります。

<確定拠出年金と確定給付年金>

確定拠出年金確定給付年金
考え方掛金があらかじめ決まっている年金制度。年金額は運用成果により、支払時に決まる。年金給付の額があらかじめ決まっている制度。
メリット将来の掛金負担の見通しが立てやすく、世代間の負担が公平である。老後の生活資金の見通しが立てやすい。
デメリット将来の年金額が不確定であるため、老後の生活資金としては足りなくなる可能性がある。納めた掛け金と積立金の運用だけでは年金給付財源に不足が生じる場合には、追加負担が必要である。


ワン・ポイント・情報:確定拠出年金に主婦も加入できるようになるかも!
確定拠出年金には、企業が掛金を拠出する「企業型」と個人が拠出する「個人型」があります。
確定拠出年金は、拠出金(掛金)が全額非課税扱いになったり、年金が公的年金等控除の対象になるなどの税制優遇措置があります。そのため、1人1制度にしか加入できません。

また、加入資格と拠出限度額も決められています。確定給付型の企業年金が無い企業の企業型の掛金限度額は月額55,000円で、有る場合は27,500円です。
個人型に加入できるのは、自営業者(限度額は国民年金基金と合わせて月額68,000円)および勤め先に企業型も確定給付型の企業年金も無い会社員(月額23,000円まで)のみです。

よって現在は、主婦(国民年金第3号被保険者)や公務員、勤め先に企業年金がある会社員は個人型に加入できませんが、誰でも加入できる制度に向けて見直しが始まっています。

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家計のアドバイザー通信 (2014年10月号)

―相続と生命保険金(死亡保険金)―


Q.前号の相続方法の種類の1つ「相続放棄」においても、生命保険金は受け取れると聞きましたが・・・。

A.相続人の死亡により支払われる生命保険金(死亡保険金)は、「みなし相続財産」として相続税の対象になりますが、保険契約に基づき発生するものとして、保険金受取人の固有の財産とされています。
よって、相続放棄をした場合でも死亡保険金は受け取ることができますし、遺産分割においても対象外となります。
―相続と生命保険金(死亡保険金)―


Q.前号の相続方法の種類の1つ「相続放棄」においても、生命保険金は受け取れると聞きましたが・・・。

A.相続人の死亡により支払われる生命保険金(死亡保険金)は、「みなし相続財産」として相続税の対象になりますが、保険契約に基づき発生するものとして、保険金受取人の固有の財産とされています。
よって、相続放棄をした場合でも死亡保険金は受け取ることができますし、遺産分割においても対象外となります。

<相続財産の評価(死亡保険金の評価額)>
評価額=受取金額-非課税額
非課税額=500万円×法定相続人数

注意1:法定相続人数には相続放棄をした人も含む。
注意2:保険金受取人が法定相続人ではない場合は、この生命保険金控除は適用されない。

ワン・ポイント・アドバイス:生命保険金(死亡保険金)には非課税枠がある!
死亡保険金を法定相続人が受け取った場合には、非課税財産の枠があります(上表参照)。例えば2人の子のいる妻が2000万円の生命保険金を受け取ったとき、相続財産評価額は
2000万円 - (500万円×3人) = 500万円
になります。

生命保険金には他に、現金としての効用があります。
通常銀行などの金融機関は、死亡の連絡を受けたときからその人の口座を閉鎖します。配偶者であってもお金を引き出すことができなくなりますが、現金で支払われる生命保険金は当面の生活費や葬儀などの費用に使用することができます。
また来年から遺産に係る基礎控除額が縮小され、相続税を払わなくてはならない対象者が増えます。生命保険金を納税資金に充てることもできますし、「代償分割」に利用することも可能です。

本記載は、2014年9月現在の税制に基づく一般的な取扱について記載しています。
税務上の取扱が税制改正などで変更となることがありますので、ご注意ください。
また、個別の取扱等につきましては、所轄の税務署等にご相談ください。

あなたの家計のアドバイザー             

家計のアドバイザー通信 (2014年9月号)

―相続方法の種類―


Q.相続人は、必ず被相続人の財産を相続しなければならないのですか。

A.相続人が相続するときは、被相続人(亡くなられた方)の財産(プラスの財産)だけでなく負債(マイナスの財産)も相続しなければなりません。
負債の方が財産より多く、相続人が負債を負う危険がありそうな場合には、「限定承認」や「相続放棄」が利用できます。

これらの制度を利用するには、相続の開始を知った日(通常、死亡日)から3か月以内に、家庭裁判所への「申述」が必要です(右表参照)。

<相続に関する期限(相続の開始を知った日から)>
3か月以内限定承認・相続放棄の申述
4か月以内準確定申告
10か月以内相続税の申告・納付
延納・物納の申請

注意:相続財産の一部でも使用・隠蔽があれば、限定承認も相続放棄も不可!
相続には3つの方法があります。
①単純承認
一般的な相続方法で、財産・負債の全てを相続する方法です。相続開始を知った日から3か月が経過すると、単純承認したものとみなされます。
②限定承認
財産の範囲内の負債しか相続しない方法です。ただし限定承認には、相続開始を知った日から3か月以内に財産目録を作成し、相続人全員が共同で申述することが必要です。
③相続放棄
財産より負債の方が多いことが明らかな場合などに、相続を放棄することができます。相続放棄の申述は、限定承認とは異なり1人でも行うことができます。

相続財産を一部でも使ったり隠したりした場合、限定承認も相続放棄も認められません。

本記載は、2014年8月現在の税制に基づく一般的な取扱について記載しています。
税務上の取扱が税制改正などで変更となることがありますので、ご注意ください。
また、個別の取扱等につきましては、所轄の税務署等にご相談ください。

あなたの家計のアドバイザー