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家計のアドバイザー通信 (2017年5月号)

―平成29年度、年金額―
Q.4月から年金額が下がると聞きましたが、いくら位減るのでしょうか。

A. 国民年金の老齢基礎年金を満額受け取られる方で、月67円のマイナスになります(右表参照)。

これは「平成28年平均の全国消費者物価指数」が対前年比で0.1%下落したためです。
このため、平成29年度の年金額も0.1%引き下げられました。

尚、年金額が減る4月分の支払いは6月からです。

<平成29年度の新規裁定者(67歳以下)の年金額の例>
月額平成28年度平成29年度
国民年金老齢基礎年金 (満 額)65,008円64,941円 (-67円)
厚生年金 *(夫婦2人の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)221,504円221,277円 (-227円)
*厚生年金は、夫が平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)42.8万円)で40年間就業し、妻がその期間全て専業主婦であった世帯が年金を受け取り始める場合の給付水準。

モア インフォーメーション
「マクロ経済スライド」による調整はなし!

年金額の改定は、物価変動率と名目手取り賃金変動率がともにマイナスで、名目手取り賃金変動率が物価変動率を下回るとき、物価変動率によって改正されます。
 平成29年度の参考指標
 物価変動率 -0.1%
 名目手取り賃金変動率 -1.1%(*1)                   
 マクロ経済スライドによるスライド調整率 -0.5%(*2)

(*1):名目手取り賃金変動率
 =物価変動率 × 実質賃金変動率 × 可処分所得割合変化率 
(*2):マクロ経済スライドは年金額を増えにくくするため、賃金や物価の変動がプラスになる場合に、スライド調整率により控除するものです。スライド調整率は現役被保険者の減少と平均余命の伸び率によって調整されます。今回はマクロ経済スライドによる調整はありません。

本記載は、社会保障制度の概要を説明したものです。
詳細につきましては、所轄の年金事務所等にご相談下さい。

家計のアドバイザー通信 (2017年4月号)

―利息と利子、利率と金利と利回りと・・・―


Q.銀行や証券会社のパンフレットを見ていると、利息や利子、利率や金利や利回りなど、同じような言葉がでてきます。違いはありますか。

A. まず、利息と利子は、元本に対して支払われる利金の金額を指します。厳密な使い分けではありませんが、定期預金などに預けたときに受け取る方を利息、住宅ローンなどのように支払う方を利子といわれることがあります。

一方、利率や金利、利回りは通常割合を表しますので、%などで表示されます。
利率と金利はほとんど同じ意味です。元本に対する利子や利息の割合をいいます。
利回りは、元本に対する収益の割合です。運用期間が複数年でも1年に換算して表します(年平
均利回り)。

<利息と利子利率と金利と利回り>
利息金額利金を受け取るとき厳密な使い分けではない。
利子利金を支払うとき
利率割合元本に対する利子や利息の割合ほとんど同じ意味で使われる。
金利金額を指すこともある
利回り元本に対する収益の割合(年平均利回り)

計算例:
①年利3%の定期預金(半年複利)に、100万円を1年間預けたとき
 利率:3%
 利回り:半年後・・・100万円×(1+ 3%/2)=101.5万円
     1年後・・・101.5万円×(1+ 3%/2)=103.0225万
よって利回りは、3.0225%
 
②表面利率(クーポン)3%の3年もの債券(額面100万円)を
98万円で購入したとき
 利率:3%
 利回り:利息・・・・・・・3万円×3年=9万円
     償還差益・・・100万円-98万円=2万円
     3年間の収益は、11万円
よって利回りは、(11万円÷100万円)/3年≒3.7%

*実際の運用計算の場合は、税金などの費用がかかります。

家計のアドバイザー通信 (2017年3月号)

―確定申告(公社債等)―


Q.昨年(2016年)、社債の利子を受け取りました。今年から、確定申告が必要と聞いたのですが・・・。

A. 2016年1月1日から、国債や社債などの公社債(特定公社債等*1)等の譲渡益(売却益)、利子等、償還差益は、いずれも申告分離課税の対象となり、今年から原則*2確定申告が必要です。

*1:特定公社債等とは、国債、地方債、外国国債、公募公社債、2015年12月31日以前に発行された公社債(同族会社が発行した社債を除く)、公募公社債投資信託など。

*2:特定口座(源泉徴収有り)であれば、確定申告は不要。

<公社債等の税制上の変更点>

2015年12月まで2016年1月から
売却益非課税申告分離課税
利子等源泉分離課税(20.315%)
償還差益総合課税-0.20315
上場株式等との損益通算不可
譲渡損失の3年繰越控除不可

ワン・ポイント・アドバイス: 複数の特定口座間で損益通算する場合は、確定申告!
昨年からは、公社債等の利益や損失と上場株式等の利益や損失も損益通算できるようになりました。

1つの特定口座内の損益通算は自動的に行われますが、複数の特定口座間で損益通算する場合は、確定申告が必要です。

また、譲渡損失等は、上場株式等の場合と同様、3年間繰越しができるようになりましたが、この場合も確定申告が必要です。


本記載は、2017年3月現在の税制に基づく一般的な取扱について記載しています。
税務上の取扱が税制改正などで変更となることがありますので、ご注意ください。
また、個別の取扱等につきましては、所轄の税務署等にご相談ください。

あなたの家計のアドバイザー             

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