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家計のアドバイザー通信 (2015年12月号)

―社債の取引価格の公表開始―


Q.社債取引の実際の売買価格が開示され始めたとのことですが、今までは公表されなかったのですか。

A.社債の売買には、証券会社を通じて証券取引所に注文を発注する「取引所内取引」と、証券会社の店頭で投資者と証券会社とが相対で取引を行う「店頭取引(取引所外取引)」があります。

 社債は、発行時期や発行条件(クーポンレートなど)によって個別商品(銘柄)が大変多く、また償還があるため、その都度新規上場と上場廃止を繰り返さなければならない(コスト高にも繋がる)などの理由から、ほとんどが店頭取引で売買され、取引所内取引は一部の銘柄に限られ
ています。

店頭取引では証券会社の提示する価格によって売買され、その価格は公表されませんでした。

<主な社債市場改革>

従 来11月から
売買参考統計値上下一定の報告気配値を除いてから、平均値・中央値・最高値・最低値を算出上下のカットを行わず、平均値・中央値・最高値・最低値を算出
公表値・売買参考統計値・売買参考統計値
・実際の取引価格
報告・公表時間 (目途)16:30 各証券会社が日証協に報告17:45 各証券会社が日証協に報告

(実際の取引価格は17:15)
17:30 日証協が公表18:30 日証協が公表

(実際の取引価格の公表は翌営業日の9:00)

ワン・ポイント・豆知識 : 社債市場が活発になるかも・・・!

店頭取引では、取引所取引のような市場価格はありません。そのため売買の参考になるよう、日本証券業協会(日証協)が各証券会社から報告される「気配値(各銘柄の想定価格)」を集計し、「売買参考統計値」を公表しています(目安の価格)。

しかしこの取引価格の不透明さが、日本の債券市場の取引が欧米に比べて少ない原因の1つとの指摘が以前からありました。
そこで11月から、実際の取引価格の公表(当面は対象銘柄のみ)に加え、報告および公表時間の繰下げ(適切な気配値の報告のため)や売買参考統計値の適正化などの改革が行われています(上表参照)。
これにより、社債の発行市場および流通市場が活性化されることが期待されています。

あなたの家計のアドバイザー