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家計のアドバイザー通信 (2016年7月号)

―患者申出療養制度がスタート―


Q患者申出療養制度がスタートしたそうですが、これは何ですか。

A.「患者申出療養制度」とは、困難な病気と闘う患者の思いに応えるための「保険外併用療養費制度」の1つです。

医療には「保険診療」と「保険外診療」があり、保険診療を受けた場合の患者負担は原則3割ですが、保険外診療では100%自己負担です。

日本ではこの2つを同時に受ける「混合診療」が禁止されているため、同時に受けた場合保険外診療部分はもちろん、保険診療部分も全額患者負担になります。

しかし、国が定める「評価療養(先進医療など)」と「選定療養(差額ベッドなど)」については保険外併用療養費として、保険診療と保険外診療の併用が認められています。
                       

<患者申出療養制度>
(患者申出療養として初めて医療を実施する場合)
患者からかかりつけ医等へ相談
臨床研究中核病院(大学病院など)において国に提出する資料作成
患者が臨床研究中核病院を通じて国に申請
国の会議で審査(原則6週間)
患者申出療養の実施

ワン・ポイント・アドバイス : 医療保険を使って、万一のときの経済的負担を軽減!

保険診療と保険外診療の併用が認められる保険外療養費制度でも、保険診療部分は3割負担であるものの、保険外診療部分は全額自己負担になります。
患者申出療養においても、保険診療の対象外の部分については、「患者申出療養に係る費用」として、全額患者負担になります。

患者申出療養制度は、患者の申出により評価療養に含まれない治療法であっても、先進的な医療を迅速に、身近な医療機関で受けられるようにする制度です。
もしものとき、治療費などの経済的な負担を軽減するため、医療保険を活用するのも1つの手です。