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家計のアドバイザー通信 (2016年3月号)

―年金と確定申告―


Q.年金生活者です(収入は公的年金のみ)。確定申告をしなくてもいい場合があると聞きましたが・・・。

A.「雑所得」に区分される年金は、課税上2つに分かれます。国民年金や厚生年金、確定給付企業年金(DB)や確定拠出年金(DC)などは、「公的年金等」として「公的年金等控除」の対象になります(右表参照)。

これに対し、生命保険会社などに加入する個人年金保険などは「その他」に分類され、講演料や原稿料、印税等と同じ扱いになり、公的年金等控除を受けることはできません。

さて、年金所得者には「確定申告不要制度」があります。公的年金等の収入金額が400万円以下、かつ全額が源泉徴収の対象になっていて、それ以外の所得が20万円以下である場合などには、確定申告は必要ありません。
ただし各種控除などによって還付を受ける場合には、確定申告が必要です。

<公的年金等控除>
年齢収入金額控除額
65歳未満130万円未満70万円
130万円以上410万円未満収入金額×25%+37.5万円
410万円以上770万円未満収入金額×15%+78.5万円
770万円以上収入金額×5%+155.5万円
65歳以上330万円未満120万円
330万円以上410万円未満収入金額×25%+37.5万円
410万円以上770万円未満収入金額×15%+78.5万円
770万円以上収入金額×5%+155.5万円
*横浜市税のページを基に筆者が作成

ワン・ポイント・アドバイス : 年金への支払い保険料の控除も、種類ごとに違う!

公的年金などの支払い保険料の控除も、その年金の種類によって区分が違います。

①社会保険料控除 (国民年金保険料、国民年金基金の掛金、厚生年金保険料など)  
②小規模企業共済等掛金控除 (企業型確定拠出年金の加入者掛金、個人型確定
拠出年金の加入者掛金など)
③生命保険料控除 (生命保険会社などの個人年金保険料など)

本記載は、2016年2月現在の税制に基づく一般的な取扱について記載しています。
税務上の取扱が税制改正などで変更となることがありますので、ご注意ください。
また、個別の取扱等につきましては、所轄の税務署等にご相談ください。