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家計のアドバイザー通信 (2013年11月号)

―老齢厚生年金の繰下げ支給―


Q.前月号の家計のアドバイザー通信のテーマは老齢厚生年金の「繰上げ支給」でしたが、「繰下げ支給」も可能ですか。

A.可能です。

原則66歳に達した日(誕生日の前日)以後に、支給繰下げの申出ができます。
繰下げ受給をする場合、65歳時点の老齢厚生年金額を基準として、
繰下げた月数 × 0.7% (年間8.4%)
分、年金額が増額されます(下表参照)。

<繰下げ請求の増額率>
請求時の年齢増額率
66歳0カ月0.084
67歳0カ月0.168
68歳0カ月0.252
69歳0カ月0.336
70歳0カ月~0.42


ワンポイントアドバイス:在職老齢年金による支給停止部分は増額されない!
老齢厚生年金を繰下げ受給する場合、留意すべき点が沢山あります。たとえば、

①特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)には、繰下げ支給制度は適用されない。

②65歳に達した月から1年間は、繰下げ受給しても増額されない。

③繰下げ受給は最大70歳までで、それ以降の増額はない。また、70歳を過ぎて請求しなかった場合でも、さかのぼって支給されることはない。

④65歳から66歳の間に、遺族基礎年金など他の年金を受ける権利が発生した場合は、繰下げ請求はできない。

⑤65歳以降働いて、厚生年金保険の被保険者になった場合は、65歳時点の老齢厚生年金額から在職支給停止額を引いた額のみが、繰下げによる増額の対象になる。

⑥老齢厚生年金と老齢基礎年金は、それぞれ希望の期間繰り下げることができる。

本記載は、社会保障制度の概要を説明したものです。
詳細につきましては、所轄の年金事務所等にご相談下さい。


本記載は、2013年11月現在の税制に基づく一般的な取扱について記載しています。
税務上の取扱が税制改正などで変更となることがありますので、ご注意ください。
また、個別の取扱等につきましては、所轄の税務署等にご相談ください。