―老齢厚生年金の繰下げ支給―
Q.前月号の家計のアドバイザー通信のテーマは老齢厚生年金の「繰上げ支給」でしたが、「繰下げ支給」も可能ですか。
A.可能です。
原則66歳に達した日(誕生日の前日)以後に、支給繰下げの申出ができます。
繰下げ受給をする場合、65歳時点の老齢厚生年金額を基準として、
繰下げた月数 × 0.7% (年間8.4%)
分、年金額が増額されます(下表参照)。
<繰下げ請求の増額率> | |
請求時の年齢 | 増額率 |
66歳0カ月 | 0.084 |
67歳0カ月 | 0.168 |
68歳0カ月 | 0.252 |
69歳0カ月 | 0.336 |
70歳0カ月~ | 0.42 |
ワンポイントアドバイス:在職老齢年金による支給停止部分は増額されない!
老齢厚生年金を繰下げ受給する場合、留意すべき点が沢山あります。たとえば、
①特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)には、繰下げ支給制度は適用されない。
②65歳に達した月から1年間は、繰下げ受給しても増額されない。
③繰下げ受給は最大70歳までで、それ以降の増額はない。また、70歳を過ぎて請求しなかった場合でも、さかのぼって支給されることはない。
④65歳から66歳の間に、遺族基礎年金など他の年金を受ける権利が発生した場合は、繰下げ請求はできない。
⑤65歳以降働いて、厚生年金保険の被保険者になった場合は、65歳時点の老齢厚生年金額から在職支給停止額を引いた額のみが、繰下げによる増額の対象になる。
⑥老齢厚生年金と老齢基礎年金は、それぞれ希望の期間繰り下げることができる。
本記載は、社会保障制度の概要を説明したものです。
詳細につきましては、所轄の年金事務所等にご相談下さい。
本記載は、2013年11月現在の税制に基づく一般的な取扱について記載しています。
税務上の取扱が税制改正などで変更となることがありますので、ご注意ください。
また、個別の取扱等につきましては、所轄の税務署等にご相談ください。