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家計のアドバイザー通信 (2013年10月号)

―厚生年金の繰上げ支給―

Q.前月号の家計のアドバイザー通信で、特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の受給開始年齢が今年から順次引き上げられ、私は63歳から受け取ることになるとのことでした。
60歳で退職を考えている私は、3年間無収入になってしまいます。何か方法はありませんか。 

A.60歳から年金を受け取る方法として、「繰上げ請求」の制度があります。

特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始前に、老齢基礎年金(国民年金)と併せて繰上げ支給を請求することができます(老齢厚生年金のみの繰上げはできません)。

<年金開始年齢が65歳の場合の繰上げ支給の減額率>
年金開始年齢(繰上げ支給)繰上げ年数減額率
65歳0年0
64歳1年0.06
63歳2年0.12
62歳3年0.18
61歳4年0.24
60歳5年0.3


ワンポイントアドバイス:繰上げ支給の年金は、減額される!
繰上げ請求した場合その翌月から年金が支給されますが、その額は1ヶ月当たり0.5%(1年間で6%)減額されます(上表参照)。しかもその額は、生涯変わらず、65歳になっても元には戻りません。
繰上げ請求をするときは、その後の生活をよく考えることが重要です。

公的年金開始までの生活費の手当てとしては、
①60歳以降、年金開始まで働く
②預貯金など安全な方法で貯蓄する
③退職金を生活費に充てる
などの方法があります。また、生命保険会社などが扱う個人年金には60歳を年金開始年齢として契約できる商品があります(加入条件があります)。

いずれにしても、老後の生活資金の準備はなるべく早く始めることをお勧めします!!

本記載は、社会保障制度の概要を説明したものです。
詳細につきましては、所轄の年金事務所等にご相談下さい。

本記載は、2013年10月現在の税制に基づく一般的な取扱について記載しています。
税務上の取扱が税制改正などで変更となることがありますので、ご注意ください。
また、個別の取扱等につきましては、所轄の税務署等にご相談ください。