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家計のアドバイザー通信 (2013年3月号)

―確定申告(損失の繰越)―


Q.昨年(平成24年)株式を売却しましたが、買った時より株価が下がっていたため譲渡損が出ました。
他の株式の譲渡益と損益通算できると聞きましたが・・・。

A.株式の譲渡損は、他の株式の譲渡益や配当金などと損益通算することができます(右表参照)。
損益通算する場合は、原則確定申告が必要です*。

また、通算しきれず残った損失については、確定申告をすることで、3年間繰り越すことができます。

<損益通算>

上場株式など譲渡損

上場株式など譲渡益可 能
上場株式の配当金など可 能
*注意
①証券会社が1社のみで、「特定口座(源泉徴収あり)」内の損益通算は確定申告不要です。
②確定申告によって配偶者控除などに影響することがあるため注意が必要です。
ワンポイントアドバイス:損失の繰越には、3年間毎年確定申告が必要!
損失の繰越には確定申告をしなければなりませんが、損失が発生した年だけでなく、繰り越す間は毎年確定申告をする必要があります。株式などの取引がなくても、他に所得がなくても、申告書を出さないと繰越は失効になります。

繰り越した損失は翌年以降の譲渡益や配当金などと損益通算をすることができますが、ここで専業主婦などの方々は特に注意が必要です。配偶者控除などの適用内であるかどうか(年間所得が38万円以内)は、繰越損失と損益通算する前の所得で判断されてしまうからです。

例えば、ある専業主婦が前年発生の繰越損50万円と40万円の株式譲渡益を相殺するとします(他に収入が無い場合)。
所得はゼロになり、さらに相殺し切れなかった10万円分の損失は翌年に繰り越すことができますが、配偶者控除の対象からは外れてしまいます。


本記載は、2013年3月現在の税制に基づく一般的な取扱について記載しています。
税務上の取扱が税制改正などで変更となることがありますので、ご注意ください。
また、個別の取扱等につきましては、所轄の税務署等にご相談ください。


あなたの家計のアドバイザー